指定区域での形質変更
よく頂くご質問の中に「指定区域でも土地の形質変更はできるのか?」というものがあります。
指定区域であっても、形質変更ができないという訳ではありませんが、土壌汚染対策法に基づいた工事方法の制約等はあります。
土壌汚対策のコストだけでなく、制約を見込んだ形質変更工事のコスト、その他サイトごとの条件のバランスを見て、経済合理性の高い土壌汚染対策を行うことが重要です。
要措置区域の場合
土壌汚染調査の結果、土壌の特定有害物質による汚染状態が基準に適合せず、かつ、健康被害が生ずるおそれがあると認められる場合には、要措置区域に指定されます。
要措置区域は、土地の形質変更が原則禁止となり、汚染の拡大の防止等の行政指導と同等以上の対策(指示措置)を実施した後でなければ土地の形質変更を行うことができません。したがって、指定されると建て替え工事等の場合に大きな制約となります。ただし、措置と一体の工事として土地の形質変更を行うことは認められおり、何もできないということはありません。
基本的には、事前に行政協議を行い、措置と一体の工事として土地の形質変更をするか、先に措置を実施して要措置区域を形質変更時要届出区域に格下げしてから土地の形質変更をするか、費用及び期間(行政審査含む)を含めどちらが合理的な方針か判断し、計画することが重要です。
- 土壌汚染が除去された場合
指定解除され、土壌汚染対策法上の制約を受けず、自由に土地の形質変更が可能となります。(地下水汚染があった場合は、対策後に2年間の地下水モニタリングによる対策効果の確認がされてから区域指定解除になります) - 基準適合しない汚染土壌は残存するが、摂取経路を遮断し健康被害のおそれをなくした場合
要措置区域は解除され、形質変更時要届出区域に変更されます。(地下水汚染があった場合は、対策後に2年間の地下水モニタリングによる対策効果の確認がされてから形質変更時要届出区域になります)
- 自治体による上乗せ条例がある場合は、別途対応が必要となる場合があります。
- 自治体との協議により対応方法が変わります。
形質変更時要届出区域の場合
形質変更時要届出区域は、汚染の拡散防止を図りながら施工する場合、汚染が残存する状態での土地の形質変更が認められています(詳細な方法は省令にて規定)。主な拡散防止方法は、浅い地層の汚染を深い地層に落とさない方法での施工や、施工期間中に地下水質及び水位等の影響評価を行うものです。
汚染を残置した状態で建築工事を計画する際は、これらの対応に伴う費用及び期間を見込んでおくことが重要です。
汚染を残置することで風評被害を心配されることがありますが、見方を変えれば、健康リスクがないことを行政が認めてくれる制度と捉えることもできます。土地活用の計画によってはこの区域指定を受けておくことをメリットとすることもできます。
名前の通り、形質変更の際に届出が必要な区域となるので、基本的には届出を行い、行政協議をして施工方法等の計画の確認を受けてから形質変更をすることになります。
後の工事計画等も含めコストメリットや時間的猶予がある場合は、汚染の除去を行って、区域指定を解除する場合もあります。
- 土壌汚染が除去された場合
指定解除され、土壌汚染対策法上の制約を受けず、自由に土地の形質変更が可能となります(地下水汚染があった場合は、対策後に2年間の地下水モニタリングによる対策効果の確認がされてから区域指定解除になります)
- 自治体による上乗せ条例がある場合は、別途対応が必要となる場合があります。
- 自治体との協議により対応方法が変わります。
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エコサイクルでは、指定区域における形質変更・汚染対応についてもコンサルティングからお手伝いさせていただいています。
エコサイクルのコンサルティング業務については下記をご参照ください。