NanoLite Earth

NanoLite Earthとは

Nano(小さい)Lite(鉱物/石)Earth(地球/土に還る)を由来として名付けられています。

NanoLite Earthは、天然の有機物とミネラル、鉄、アルミノケイ酸塩などで構成される、土壌・地下水中の重金属を水に溶けださないようにする不溶化剤です。
不溶化剤シリーズとしてこの名称で取り扱っていますが、対象物質によって異なる商品を使い分けています。

不溶化メカニズム

吸着

表面力(物質の表面にある分子同士が互いに引き合う力)を利用して、可溶性の重金属を吸着して不溶化します。
物質の表面は、内部の分子とは違って周囲に空間があるため、表面近くの分子同士は内部の分子よりも周囲の影響を受けやすく、強く引き合います。この表面力が強いと、物質表面に存在する可溶性の物質を吸着して固定することができます。

共沈

可溶性の重金属イオンが、不溶化剤と一緒に反応して沈殿することで重金属を不溶化します。
この反応を共沈と言います。共沈は、イオン同士の引力によって起こる現象で、イオンの濃度が高いほど沈殿しやすくなります。この共沈反応は、不溶化剤表面に存在する活性基によって引き起こされ、重金属イオンが不溶化剤表面に吸着することで沈殿します。

沈殿

重金属イオンを沈殿させて、水中に存在する可溶性物質を不溶化します。
化学物質を添加して過飽和環境を作り出すことにより、可溶性の重金属を不溶性形態に変換することができます。例えば、硫化物を添加して、地下水中に存在する鉛イオンを硫化鉛に変換する等がこれに当たります。

NanoLite Earthの特徴

NanoLite Earthは、従来の不溶化剤では対応不可能であった物質を含む、複数の重金属を水に溶けださない形に不溶化させることができます。

  • 鉄や硫化鉄の化学反応に基づいて重金属を沈殿させるため、広い範囲のpH値で効果があります。
  • アルカリ度に依存せず重金属の安定化が可能です。
  • 高濃度の重金属汚染にも対応が可能です。
  • 一般的な不溶化剤に比べ、必要となる添加量が少ないため、コストを抑えることができます。

対象物質

ふっ素、砒素(III、V)、六価クロム、鉛、カドミウム、セレン、シアン、水銀、アルキル水銀、ニッケル、亜鉛、銅 等

…土壌汚染対策法では特定有害物質に指定されていない物質

使用方法

バックホウ、地盤改良機、リテラ(土質改良機)等を用いて土壌と混合攪拌します。
また、トレンチ工法を用いて溝状に土壌を掘削し、不溶化剤を土壌に混ぜて埋め戻して透過壁を形成する使用方法もあります。

添加量 1.0% ~ 4.0% (wt/wt)
注入スラリー 30 ~ 50%
目安期間 施工後1~4週間で不溶化

採用事例

NanoLite Earthによる水銀の不溶化パイロット試験施工の事例です。
バックホウによる混合攪拌を行いながら水を加え、土壌が飽和状態に近くなるように水分量の調整をしました。混合した土壌は、シート養生をして7日間反応させてから分析を行いました。
試験の結果、定量下限値(0.0001mg/L)未満まで濃度低減したことが確認されました。