土壌洗浄は、オンサイトで汚染土壌を掘削してその土壌を土壌洗浄プラントに投入し、土壌に吸着した有害物質を水や溶媒で洗浄する工法です。処理後の土壌は敷地内で埋め戻しに使えます。
対象物質
重金属類 | カドミウム、六価クロム、水銀、セレン、鉛、砒素、ふっ素、ほう素等 |
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その他 | 農薬類 |
原理
土壌を粒度単位で分級して、有害物質が吸着・濃縮している部分の土壌を抽出(分級)することと、有害物質を洗浄作業によりさらに溶出させることによって浄化します。
重金属汚染土壌の特徴
水洗浄
除去しやすい物質や、濃度が低い場合等に用いられる方法です。
溶媒洗浄
水洗浄では除去が難しい物質や、濃度が高い場合等に用いられる方法です。
施工方法
土壌洗浄では、まず土壌洗浄プラントを組み立てます。その後汚染土壌を掘削し、土壌洗浄プラントへ投入して洗浄処理します。洗浄処理後の土壌は、また敷地内へ埋め戻します。洗浄により分離された汚染分は脱水して汚染土壌として場外搬出・処分します。
プラント組み立てイメージ
土壌洗浄プラントは、いくつかの処理工程の組み合わせにより構成されます。
処理工程とは、ふるい分離・比重分離等による分級工程、水や溶媒による洗浄工程等であり、これらの選択・組み合わせは対象物質や土質によって異なります。
処理工程の構成例
メリット・デメリット
メリット
- 対策土量が多い(目安は2万m3程度)場合にコストメリットが高い工法です。
- 浄化処理後の土壌は埋め戻すため、敷地外へ運搬するために大型車両が何度も出入りするようなことがなく、CO2削減にも繋がります。
- 場外処分する土量を大幅に減らすことができるため、環境負荷が低いです。
デメリット
- 土壌洗浄の浄化効率は土粒子の粒径に関係し、一般的に粗粒分からの有害物質の除去は比較的容易ですが、細粒分からの除去は困難なため、シルトや粘土、その他細粒分含有率が高い土質ではコストメリットが出せない場合が多いです。
- 汚染の濃縮した細粒分や有害物質が溶出した洗浄水は、水処理により二次処理物(凝集沈殿汚泥や脱水ケーキ等)が発生するため、別途処分を行う必要があります。
- 一般的に適用可能な物質であっても、適用可能性試験の結果によっては適用ができない場合があります。
- 水洗浄で処理できる汚染濃度の上限はかなり低い場合が多いです。
- 比較的大規模な処理プラントが必要であるため、サイトの面積に余裕が必要です。
採用事例
土壌汚染対策法における区域指定を受けた、九州大学(箱崎キャンパス)において、要措置区域または形質変更時要届出区域の解除を目的として2017年9月~2020年10月にかけて行われました。
洗浄が難しい水銀を主な対象物質とした汚染土壌処理工事です。
対象物質 | 水銀、砒素、六価クロム、鉛、ふっ素、セレン |
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施工方法 | 溶媒洗浄 |