事業内容

土壌汚染調査

例えばこんな時に、土壌汚染調査が必要になります。

  • 土壌汚染対策法第3条(有害物質使用特定施設の廃止時)
  • 土壌汚染対策法第4条(一定規模以上の土地の形質変更時)
  • 自治体条例(例:東京都環境確保条例116条、117条)
  • 土地の資産価値を把握したい、リスクを管理したい(自主的な調査)
  • 不動産売買時に土壌汚染の有無を把握したい(自主的な調査)

土壌汚染調査は、基本的に土壌汚染対策法に準拠して実施されます。
法や条例に該当しない土地取引や操業中の工場など、十分に調査を実施できない場合は、部分的な調査や対策設計に必要な追加調査などを組み合わせることで、目的毎に調査仕様をアレンジすることが可能です。

法定調査の流れ

フェーズ ステップ 第一種特定有害物質
(VOC)
第二、三種特定有害物質
(重金属・農薬類)
フェーズ1 地歴調査
フェーズ2 ステップ1 土壌ガスを採取・分析する概況調査 表層土壌を採取・分析する概況調査
ステップ2 ガス検出区画を確定させる個別調査 汚染の平面方向範囲を確定させる個別調査
ステップ3 相対的高濃度地点調査※フェーズ3として行う場合もあり 該当なし
フェーズ3 措置を実施するために必要となる調査

法定以外の調査(自主的な調査)

フェーズ 第一種特定有害物質
(VOC)
第二、三種特定有害物質
(重金属・農薬類)
フェーズ1.5 できる範囲でのみ土壌ガスを採取・分析する部分的な概況調査 できる範囲でのみ表層土壌を採取・分析する部分的な概況調査
フェーズ3 対策設計用の詳細調査

フェーズ0.5~1調査(地歴調査)

土地の利用履歴や有害物質の保管履歴などから土壌汚染の可能性を評価する調査です。
エコサイクルでは、目的・用途によって仕様が異なる4種の地歴調査メニューをご用意しております。

フェーズ0.5(簡易資料等調査)

目的・用途 不動産取引検討時のスクリーニング評価
イメージ 商用ビルや共同住宅等、
現況は汚染リスクが低い土地を対象とした調査
事業所規模
(目安)
数百~2000m²程度
価格
(目安)
5~10万
必要日数
(目安)
6~10日
調査内容 資料調査
  • 一般公表資料
    • 住宅地図 3年代程度
    • 登記簿 最新+閉鎖1筆
    • 自治体届出 水濁法、下水道法
    • 土対法の区域指定情報
汚染リスク
の判定
対象地由来のリスク評価:
大まかな評価(「低い」、「否定できない」程度の評価)

周辺地由来のもらい汚染評価:○

フェーズ0.75(土地利用履歴調査)

目的・用途 不動産取引の判断(自主的な調査)
イメージ 商用ビルや共同住宅等、
現況は汚染リスクが低い土地を対象とした調査
事業所規模
(目安)
数百~数千m²程度
価格
(目安)
10万~15万 ※都内近郊
必要日数
(目安)
2週間~1か月
調査内容 資料調査
  • 一般公表資料
    • 住宅地図 3~5年代程度
    • 地形図 1~2年代程度
    • 空中写真 4~5年代程度
    • 登記簿 最新+一部閉鎖含む
    • 自治体届出 水濁法、下水道法、PRTR法
    • 土対法の区域指定情報
    • 地形・地質
    • 地下水質測定結果
    • 自然由来情報(地球科学図等)
汚染リスク
の判定
対象地由来のリスク評価:
不動産評価用の4段階(「極めて低い」「低い」「否定できない」「高い」)

周辺地由来のもらい汚染評価:○

フェーズ1.0(土地利用履歴調査)

目的・用途 不動産取引の判断(自主的な調査/簡単な法・条例調査)
イメージ 印刷所やクリーニング店等、
小規模の事業所を対象とした調査
事業所規模
(目安)
数百~数千m²程度
価格
(目安)
15万~50万 ※都内近郊
必要日数
(目安)
概ね1か月
調査内容 資料調査
  • 一般公表資料
    • 住宅地図 3~5年代程度
    • 地形図 1~2年代程度
    • 空中写真 4~5年代程度
    • 登記簿 最新+一部閉鎖含む
    • 自治体届出 水濁法、下水道法、PRTR法
    • 土対法の区域指定情報
    • 地形・地質
    • 地下水質測定結果
    • 自然由来情報(地球科学図等)
  • 公的届出資料 必要に応じて取得
  • 私的資料 必要に応じて取得
現地踏査 聴き取り調査
汚染リスク
の判定
対象地由来のリスク評価:
不動産評価用の4段階(「極めて低い」「低い」「否定できない」「高い」)

周辺地由来のもらい汚染評価:○

フェーズ1.0(地歴調査)

目的・用途 法、条例に基づく地歴調査
イメージ 中規模~大規模工場を対象とした調査
事業所規模
(目安)
数千~数万m²以上
価格
(目安)
数十万以上
必要日数
(目安)
2~3か月
調査内容 資料調査
  • 一般公表資料
    • 住宅地図 4~6年代程度
    • 地形図 1~2年代程度
    • 空中写真 4~5年代程度
    • 登記簿 最新+一部閉鎖含む
    • 自治体届出 水濁法、下水道法、PRTR法
    • 土対法の区域指定情報
    • 地形・地質
    • 地下水質測定結果
    • 自然由来情報(地球科学図等)
  • 公的届出資料
  • 私的資料
現地踏査 聴き取り調査
汚染リスク
の判定
対象地由来のリスク評価:土対法の3段階(「比較的多い」「少ない」「ない」)

周辺地由来のもらい汚染評価:追記 可

汚染のおそれの区分図

法・条例に基づく地歴調査の場合、土壌汚染対策法ガイドラインに沿って、調査対象地に10m格子・30m格子のメッシュを引き、10m格子(単位区画)ごとに汚染のおそれを色分けした「汚染のおそれの区分図」を作成します。
フェーズ2以降の土壌汚染調査は、この汚染のおそれの区分図を基に進みます。

汚染のおそれの区分図のイメージ

フェーズ2調査(概況調査)

現地の土壌ガスや土壌を採取・分析し、土壌汚染の有無を調べます。採取するものにより「ガス調査」や「表層(土壌)調査」などと呼ばれることも多いです。
第一種特定有害物質(VOC)の汚染の有無を調べる場合と、それ以外の重金属等の汚染の有無を調べる場合とで調査方法が異なります。
自主的な土壌汚染調査では試料採取位置の決め方等にルールはありませんので、ここでは土壌汚染対策法に基づく法定調査の場合でご説明いたします。

第一種特定有害物質(VOC)の調査

第一種特定有害物質(VOC)を対象とした土壌汚染調査では、まず土壌ガス調査を行います。土壌ガスが検出された場合は、土壌ガスの濃度が相対的に高かった区画においてボーリング調査を行い、土壌汚染の有無を確定させます。

土壌ガス採取

地表に直径15~30mm程度で深度1mの孔を空け、
そこに土壌ガスを集めるための管を一定時間静置後、地中に存在する土壌ガスを採取。
一般的に現地で分析器により特定有害物質の濃度を測定する。

フェーズ2調査 ステップ①

フェーズ1調査で作成されたおそれの区分をもとに採取位置を決め、土壌ガスを採取・分析します。

フェーズ2調査 ステップ②

ステップ①の結果により追加採取・分析を行い、ガス検出区画を確定させます。

フェーズ2調査 ステップ③ 
※土壌ガスが検出された場合のみ行います

ステップ2までで土壌ガスが検出された場合、連続する検出範囲ごとに1地点以上の相対的高濃度地点でボーリング調査を実施し、土壌汚染の有無を確認します。

相対的高濃度地点のボーリングで土壌汚染がなければ、その地点を含むガス検出範囲はすべて汚染なし扱いとなります。(法手続き上のルールであり、実態は異なる場合もあります)

検出範囲とは?

土壌ガスが検出された区画が連続する範囲のことです。
「連続する範囲」とは、区画の4辺及び4頂点のいずれかが他の区画と接していることをもって連続しているものとされます。

(下図の例でいうと、検出範囲は□A□Bの2範囲となります。)

相対的高濃度地点とは?

土壌ガスの検出範囲内で、1区画ごとに隣接する区画とガス濃度を比較し、相対的にガス濃度が高いと認められる区画です。
この地点は、検出範囲内に少なくとも1地点を選定します。

(下図の例でいうと、相対的高濃度地点はA-1、A-2、Bの3地点です。)

土壌ガス調査濃度区分と相対的高濃度地点の判定例

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第3版)より

第二種、第三種特定有害物質(重金属等)の調査

第二種、第三種特定有害物質(重金属等)を対象とした土壌汚染調査では、まず表層土壌調査を行います。表層土壌で基準超過が確認された区画は、汚染がある区画と認められます。

表層土壌採取

被覆部がある場合は除去し、表層(地表から5cm)の土壌と、5~50cmまでの深さの土壌を採取し、これら2つの深度の土壌をそれぞれ等量を混合して試料とする。

フェーズ2調査 ステップ①

フェーズ2調査 ステップ②

フェーズ3調査(詳細調査)

土壌汚染対策法で指定された区域において、対策工事(措置)を実施するときには、対策深度を把握するために詳細調査が必要となります。

調査例

フェーズ2調査で基準不適合が確認された区画において、深度方向の調査を行います。

法定以外の調査(自主的な調査)

フェーズ1.5調査(部分調査)

操業中工場等の敷地では、既設構造物や操業機械等が存在することで、十分な調査を実施できない場合があります。
操業停止後でなくとも、実施可能な場所で部分的な調査を行い、汚染リスクの把握及び対策費用の算出を行うことも可能です。


フェーズ1.5調査の使用例

たとえば図のように、敷地左側は活発に稼働しており、フェーズ2以降の調査を行うことが難しく、右側は取り壊し予定の建屋があるのみの敷地があるとします。
このような「敷地の一部は調査が難しい」という敷地でコストキャップ保証を採用したい場合、「フェーズ1.5調査を行い、一部だけでも汚染の範囲を確定させ、コストキャップ費用を抑える」ということも可能です。

フェーズ3調査(対策設計のための詳細調査)

確実な土壌地下水対策を実施するために、法定調査より高い精度で行う調査です。
目的によりケースバイケースで色々な調査方法、調査地点の設定の仕方があります。

エコサイクルは、詳細調査が土壌汚染対策成功の鍵と考えています

対策設計用の詳細調査は、土壌汚染対策法により必要とされる調査よりも詳細な調査であるため「余計な費用だ」と思われるかもしれません。しかし、土壌地下水汚染範囲を正確に把握し、施工に必要な情報を効率的に集めることで、結果的に工期を短くし、対策コストを抑えることができるのです。

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