好気バイオ浄化

好気バイオ浄化とは

微生物の栄養源となる浄化剤と酸素を注入し、土中の好気性微生物を活性化して対象物質の分解を促進します。エコサイクルの好気バイオ(HAR工法)は、対象物質を分解する微生物や微生物コンソーシアムなどの様々な微生物に作用し、短期間で汚染物質を無害な物質まで分解することができます。

対象物質 対象浄化剤
VOC、油
シアン、ジオキサン

分解メカニズム

HARと酸素によって微生物が活性化し、汚染物質が分解されるまで

1. 初期状態

土壌や地下水の中はふつう一定量の酸素が含まれており、酸素を使って呼吸する微生物がたくさん棲んでいます。これを好気性微生物といいます。

2. 好気性微生物を活性化

HARを水に溶かして注入すると、微生物のエサとなり、好気性微生物が増殖・活性化されます。
同時に、酸素を土中に送り込み、土壌・地下水中の酸素量を増やし、好気性微生物が働きやすい環境を作ります。

3. 好気性微生物が対象汚染物質を分解

好気性微生物が対象となる汚染物質を無害な物質へ分解していきます。
増殖・活性化した好気性微生物は酸素をどんどん消費しますが、酸素を同時に供給する事で好気性環境を維持できます。

4. HARと酸素の供給を止めると元の状態に戻ります

HARと酸素の供給を止めると、好気性微生物は自然に減少し、元の状態に戻ります。

ベンゼン類(芳香族炭化水素)の分解経路

ベンゼンは、微生物の酵素(モノオキシナーゼ、ジオキシゲナーゼ)により水酸化され、カテコール化合物となり、開裂反応を経てTCA回路で代謝され二酸化炭素・水へ分解されます。

シアン化合物の分解経路

シアン化合物は、微生物の酵素反応を経て、二酸化炭素・アミノ酸等の無害な物質に分解されます。

酸素を供給する様々な方法

1. 高濃度溶存酸素水注入

酸素が高濃度に溶けた水を同時に注入する方法

2. エアスパージング

空気または酸素を直接吹き込む方法

採用事例

ベンゼン・油類浄化事例

①土質:表層2m砂質、2〜4m粗砂
②土質:2〜4m粘土、4〜10m砂礫

シアン浄化事例

めっき工程に使用したシアンが漏洩したサイトです。
土壌・地下水を対象に、行政と協議しながら浄化対策を進めました。