HAR-PH

HAR-PHとは

Hyperformance Aerobic Remediation – Petroleum Hydrocarbon の頭文字を取って名付けられています。

HAR-PHは、土壌・地下水中に生息する微生物を活性化させ、ベンゼン類や油による汚染を分解させる為の栄養源です。水に溶かしたHAR-PHと酸素を土中に供給することで自然が持つ自浄作用が加速され、汚染を安全に浄化することができます。

HAR-PHの特徴

微生物にとって使いやすい構成

ベンゼン類・軽質油を分解する微生物に対し最適な栄養バランス、配合比で設計されています。

効果が速い

水溶性が高いため対象箇所へ広げやすく、また、到達後は微生物が浄化環境を素早く作り上げるため、速く効果を得る事ができます。

高い安全性

環境有害性がなく安全な製品です。また、外来微生物を導入する必要がなく、その土地に在来する微生物を利用して浄化するため安心です。

対象物質

石油関連物質

ガソリン ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン(BTEX)等
軽質油 灯油、軽油等

その他

下記物質にもオーダーメイド品で対応可能です。詳しくはエコサイクルまでお問い合わせください。

エーテル類 メチル-t-ブチルエーテル(MTBE)、1,4-ジオキサン 等
アルコール類 t-ブチルアルコール(TBA)、イソプロパノール(IPA) 等
ケトン類 メチルエチルケトン 等
芳香族炭化水素 ベンゼン類(1-メチル-3-エチルベンゼン、トリメチルベンゼン 等)、フェノール類、クロロフェノール類(ジクロロフェノール等) 等
多環芳香族炭化水素
(PAHs)
クレオソート、ナフタレン、ピレン、ベンゾピレン、アントラセン、フェナントレン 等
可塑剤 フタレート類 等
その他 ジシクロペンタジエン、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D、除草剤)、アンモニア、チオベンカルブ、チウラム

使用方法

タンク等においてHAR-PHを水に溶かし、土壌・地下水中へ注入します。注入時には酸素供給も併せて行います。

採用事例

サイト概要

業種 石油化学関連工場(稼働中)
サイト規模 200,000㎡
対策履歴 エアースパージング、土壌ガス抽出を実施するも浄化完了せず
土質・地層 礫、細砂-中砂、シルト混在
地下水浸透速度 0.8㎡/日
地下水位 4m
対象物質 油分(TPH)、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等ベンゼン類(BTEX)

対策内容

2箇所のホットスポット(高濃度汚染部位)が別個に存在するため、各々について原位置対策の検討を進め、HARによる浄化を行いました。

対策結果

HARの注入によりホットスポット①及び②の両方で対象物質の低減が確認されました。

ホットスポット①
No. 採取時期
(注入後)
ベンゼン
(mg/L)
トルエン
(mg/L)
エチルベンゼン
(mg/L)
キシレン
(mg/L)
キシレン類
(mg/L)
TPH
(C6~C9)
(mg/L)
TPH
(C10~C40)
(mg/L)
X(注入前) 0日 0.78 <0.40 61.6 270 32.1 11100 6850
X1(注入後) 150日 ND ND ND 0.20 ND 97.6 131
ホットスポット②
No. 採取時期
(注入後)
ベンゼン
(mg/L)
トルエン
(mg/L)
エチルベンゼン
(mg/L)
キシレン
(mg/L)
キシレン類
(mg/L)
TPH
(C6~C9)
(mg/L)
TPH
(C10~C40)
(mg/L)
X3(注入前) 0日 0.14 0.14 21.6 0.13 0.66 13600 6760
X4(注入後) 60日 ND 0.13 2.91 0.20 0.37 5250 5010
X5(注入後) 90日 ND ND ND ND ND 216 567