EDC

EDCとは

Electron Donor Compound(=電子供与体)の頭文字を取って名付けられています。

EDCは、土壌・地下水中に生息する嫌気性微生物を活性化し、その力で有機塩素化合物(VOC)を分解させる為の栄養源です。EDCを水に溶かして土壌に注入する事で、自然が持つ自浄作用が加速され、VOC汚染を浄化することができます。

エコサイクルの自社製造製品で、バイオレメディエーションでは分解が難しいと言われる高濃度の汚染にも著効を示す、自他ともに認める代表製品です。

EDCの特徴

EDCは、汚染の除去に有効な微生物群(コンソーシアム)を形成するために必要なアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸 等)やビタミン、水素などをバランスよくトータルに含みます。

微生物のコンソーシアムとは何ですか?なぜ重要なのですか?

VOC分解にかかわる微生物は自然界に多数存在しています。これらの微生物は相互作用によって個々の分解能力を補完するため、微生物群全てを活性化させる事でVOC分解に非常に有効な環境を作り上げることができます。この微生物の共生分解グループをコンソーシアムと呼びます。
例えばVOC分解菌としてDHC菌が有名ですが、DHC菌を育てるには周囲の他の菌がコミュニティを作りDHC菌が育ちやすい環境となっていなければなりません。
EDCはこの微生物コンソーシアムをスピーディに作り上げ、VOC分解に適した環境を強く維持するため、通常分解が難しいジクロロエチレンやクロロエチレン等も無害な物質まで分解できます。ここが他製品とは違う特長です。

EDCによるVOC汚染対策の特徴

短工期 EDCは水に溶解し易く、土壌・地下水中にスピーディに拡散します。
また、分解し易い性質のため、微生物が嫌気性雰囲気を速く形成し、短期間で汚染を分解・除去できます。
高濃度汚染も対応 EDCは高濃度汚染中に生息する微生物も活性化できます。
(トリクロロエチレン数百mg/Lの高濃度汚染を浄化した実績)
また土壌に吸着した汚染溜まりを溶出・分解する効果を有するため、地下水汚染だけでなく、土壌汚染の浄化も可能です。このことは、地下水へのリバウンド防止にも効果的です。
高い安全性 EDC原料は食品材料で、重金属を不純物として含みません。EDCの減少により微生物も減少し、最後はEDC自身も分解して残りません(生分解性試験確認済)。
またEDCの拡散・到達状況はTOC等(全有機炭素)を測定することで監視し、バイオレメディエーション実施期間中の周辺への影響をコントロールしながら対策を行うことが可能です。
低コスト 掘削除去に比べ1/3程度の低コストです。
簡易な設備で可能 工場・店舗操業中でも施工が可能です。

安全性

EDCは土壌中の微生物によって最終的に大部分が水・二酸化炭素に分解され残りません。浄化剤の使用後、土壌と地下水に悪い影響を残さず汚染前の自然な状態に戻すことは大切なことです。

SDS

SDSをこちらからダウンロードできます。

製品安全データシート

生分解性試験結果

経済産業省認定の研究機関(GLP)において、化審法準拠の方法により、EDCの生分解性試験を行った結果、28日後のBOD分解度が77%、DOCの消失率101%で良分解性が確認されております。

EDCの生分解性試験結果 概要版

浄化剤の拡散のコントロールについて

  • 現場データと事前の現地浄化テストのデータを元に浄化剤の拡散範囲を設計し、注入量や注入場所を決定します。
  • 浄化剤の拡散・到達状況はTOC(全有機炭素量)、COD(化学的酸素要求量)等を観測することで把握します。
  • 境界域で観測し、必要に応じて揚水処理を行います。
EDCの拡散について

臭気について

嫌気性微生物によるバイオレメディエーションを行う場合は、一般的な発酵プロセスと同様の反応により腐敗臭が発生します。
しかし、一般的な飽和層(地下水位以深の層)対策の場合、地表において臭気が感知されることはなく、施工後もとの土壌環境に戻るにつれ、臭気物質は酸化され別の物質になります。

嫌気バイオ浄化における臭気について